「LステップがAPI連携を始めたと聞いたけれど、うちの予約システムとつなぐべきなのか判断がつかない」
予約が入るたびに管理画面でタグを付け、顧客台帳とLINEの友だち情報を見比べる作業は、1日20件の予約がある店なら毎日20回くり返されます。外部システムとLステップを直接つなぐAPI連携は、その手作業をなくせるのが特徴です。
API連携が本当に要るのは、外部の予約・購入・顧客データでLINEのタグを自動で書き換えたい事業者に限られます。リピートを増やしたい飲食店やサロンなら、Lステップの標準機能で十分でしょう。
まずは連携したい業務とデータを書き出し、標準機能で足りないと分かった時点でAPI連携を検討すると、ムダな開発費をかけずに済みます。
LINE公式アカウントの開設から知りたい方は、LINE公式アカウントの作り方と初期設定をご覧ください。
LステップのAPI連携とは|管理画面の手作業を外部システムから自動で行う機能

LステップのAPI連携とは、外部システムとLステップを直接つなぎ、管理画面での操作をプログラムから行う機能です。担当者が手で行っていた作業が、予約や購入をきっかけに自動で進みます。
APIとは、システム同士がデータを受け渡す窓口のことです。決まった書式で頼めば、相手のシステムが作業を引き受けます。人の手は要りません。
Lステップが第一弾として開放した操作は、友だちリストの取得やタグの更新、トーク履歴の取得などでした。今使える操作は、Lステップ公式のAPIリファレンス(仕様書)で確かめると確実です。
検索では、Webhook転送やLINEのMessaging APIの話も混ざります。この記事で扱うのは、Lステップが提供するAPI連携です。Lステップの機能全体は、次の記事で一覧にしました。

API連携とWebhook転送の違い|データの向きで使い分ける

Webhook転送はLステップで起きた出来事を外へ知らせる仕組みで、API連携は外部システムからLステップのデータを読み書きする仕組みです。Webhook転送は、友だち追加やメッセージの受信がLステップで起きたとき、その内容を指定した外部のURLへ自動で送る設定です。
迷ったら、出来事が起きる場所で決めるのがいいでしょう。美容室が外部の予約システムの予約でタグを付けたいなら、出来事は外にあるのでAPI連携の出番です。
| 方法 | データの向き | きっかけ |
|---|---|---|
| Webhook転送 | Lステップから外へ | LINEでの出来事 |
| API連携 | 外からLステップへ | 外部での出来事 |
2つを組み合わせると往復の連携になります。LINEで届いたメッセージをWebhook転送で生成AIに渡し、AIの判定結果をAPI連携でタグとして戻す使い方です。
LステップのAPI連携の活用例|業務の流れで見る使い方

API連携の活用例は、何が起きたらLINEで何が変わるかで見ると、自社に当てはめやすくなります。
予約・購入に合わせてタグを付け、配信を自動で出し分ける
予約や購入の情報でタグを自動で付ければ、手作業の付け忘れによる配信漏れがなくなります。1日に15件の予約が入る店なら、1か月で約450回のタグ付けが不要になる計算です。
整体院なら、予約が入った時点で予約済みのタグを付け、来院の前日にリマインドを送る流れが組めます。来院から3日後に体の調子を尋ねるフォローも、タグを条件にすれば自動で届くでしょう。こうした日数に合わせた配信を、Lステップではシナリオ配信と呼びます。
ECサイトなら、シャンプーを買った人に30日後に詰め替えを案内する使い方が向いています。
出来事とタグを1対1で結びつけておけば、あとの出し分けは標準機能のシナリオ配信に任せられるのが強みです。
顧客管理システム(CRM)やスプレッドシートと友だち情報をそろえる
顧客管理システム(CRM)の会員情報とLステップの友だち情報をそろえると、2つの画面を見比べる作業がなくなります。来店回数や購入金額で配信の対象を絞り込めるのも利点です。来店が5回を超えた常連にだけ限定メニューを案内する使い方が、その代表でしょう。
顧客管理システムがなくても、スプレッドシートで顧客を管理していれば考え方は同じです。最初に用意するのは、表の1行と友だち1人をひもづける会員番号のような項目と、表のどの列をLステップのどの友だち情報に入れるかの対応表です。表とLステップの間のつなぎ方は、ノーコードツールか開発の2通りあります。
生成AIと組み合わせたLステップのAPI連携|AIチャットボットでできること

生成AIと組み合わせると、LINEの問い合わせへの返信や仕分けを自動にできます。
AIチャットボットが、LINEで届いた質問に自動で返信する
AIチャットボットは、営業時間や料金、予約方法といった定番の質問に24時間すぐ返信できます。
届いたメッセージを生成AIへ渡すのは、API連携ではなくWebhook転送の役割です。
API連携の出番は、AIの判断をLステップに書き戻す場面です。
AIが問い合わせの内容を判定し、タグを付けて対応を振り分ける
AIが問い合わせを予約の相談・料金の質問・クレームなどに分け、結果をタグとしてLステップに戻す場面で、API連携が役立ちます。タグさえ付けば、その後の配信や担当者への引き継ぎは標準機能で出し分けられるからです。
1日に30件の問い合わせが届く店なら、料金の質問タグが付いた人には料金表を送り、クレームのタグが付いた人だけを担当者に回せます。手作業の仕分けは要りません。
AIに任せる対応と、担当者が引き継ぐ対応を分けておく
予約の変更やキャンセル、クレーム、契約に関わる相談は、AIに任せず担当者が引き継ぐと決めておきます。生成AIは、もっともらしい誤った答えを返すことがあるためです。
AIが判定に迷った問い合わせは、担当者対応のタグを付けて人に回します。返事のないまま2日たつ、といった放置を防ぐには、受け持つ人と対応時間も決めておきたいところです。
もう1つ確かめたいのが、個人情報の扱いです。Webhook転送でAIにつなぐと、届いたメッセージは外部のAIサービスに渡ります。体の相談のような内容が届く業種なら、AIにつなぐ範囲を決めてから始めると安心です。
入力したデータが学習に使われるかは、AIサービスの利用規約やプライバシーポリシーで確かめておけば確実です。分からなければ、契約前に窓口へ問い合わせてください。
API連携は必要?標準機能・既製ツールで足りるケースと比較

やりたいことをかなえる手段は、API連携のほかにLステップの標準機能と既製の連携ツールがあります。開発費がかかるAPI連携は、ほかの2つで足りないと分かってから選べば十分でしょう。
Lステップの標準機能で足りるケース
外部の予約システムやECサイトを使っていない事業者なら、API連携は不要です。次の標準機能を活用すれば、外部とつながなくても出し分けが組めます。
- 回答フォームのアンケート
- タグと友だち情報
- 条件で動くアクション設定
- 日数に合わせたシナリオ配信
- 予約機能と、リッチメニューの出し分け(出し分けはスタンダードプラン以上)
アクション設定は、フォームに答えた、ボタンを押したといった条件で、タグ付けやメッセージの送信を自動で行う設定です。
sorecomaは、リピートを増やしたい飲食店やサロンに、Lステップの細かな機能をほとんど使わない設計を提案してきました。再来店の回数や頻度を上げるのが目的なら、リッチメニューからの予約やクーポンと、週1回程度の定期配信で足りるからです。
有効な友だち数(ブロックされていない数)が100人未満で、担当者1人の手が回らず運用が止まっている店には、sorecomaはLステップ自体を勧めません。既存のお客さまとの連絡を続けたいだけという要望でも、同じ判断です。
友だちが少ないうちは、システムをつなぐより、友だちを集めて定期配信を続けるほうが予約に近づきます。シナリオ配信の作り方は、次の記事で手順ごとに説明しました。

既製の連携ツールやWebhook転送で足りるケース
使いたいツールがLステップとの連携機能を用意しているなら、開発をせずにつなげます。ツール側の設定画面で設定するだけで動くためです。
予約システムが対応しているかは、設定一覧やヘルプで「Lステップ」「LINE連携」と探すと分かります。見つからなければ、サポート窓口に問い合わせるのが早いでしょう。
LINEで起きた出来事を外へ知らせるだけなら、Webhook転送とノーコードツールで足ります。ノーコードツールは、プログラムを書かずに画面の操作だけでサービス同士をつなげる外部のサービスです。問い合わせが来たら社内チャットに通知する、といった一方向の連携がその例になります。
API連携が向いているケース
外部システムのデータを起点にLINEのタグや友だち情報を書き換えたいなら、API連携を選ぶのがいいでしょう。標準機能も既製ツールも、外からLステップの中身を書き換える役目は持っていないからです。
- 予約システムや顧客管理システムの情報で、タグを自動で付け替えたい
- 管理画面の手作業では、取引の数に追いつかない
- AIの判定結果をタグに戻し、配信や引き継ぎまで自動にしたい
検討するかどうかは、友だちの人数より、手作業のタグ付けが1日に何件あるかと、付け忘れが実際に起きているかで決まります。
プログラムを書ける人が社内にいないなら、ノーコードツールか外部の協力先を使うことになるでしょう。次の章の手順1で作る一覧を渡して見積もりを取り、金額を見てから決めても遅くありません。
LステップのAPI連携を導入する3つの手順

導入は、目的を決め、条件を確かめ、作って試す順に進めます。順番を入れ替えると、使わないデータばかりつながるためです。
手順1:連携の目的と、つなぐデータを決める
最初に、業務のどの場面でLINEに何を送りたいかを書き出します。目的が決まらないままつなぐと、取り込んだデータが配信に使われず、活用されない連携になるからです。
予約の24時間前にリマインドを送りたい、よくある質問にAIで一次対応したい、といった目的を1行ずつ並べます。次に、必要なデータとLステップのどのタグや友だち情報に入れるかを一覧にしましょう。この一覧は、外部に開発を頼むときの依頼書にもなります。
目的が1つか2つで、どれも標準機能で組めるなら、標準機能のほうが早いでしょう。
手順2:API連携を使えるプランと料金、連携先の対応状況を確認する
開発に入る前に、Lステップ・LINE公式アカウント・連携先の3か所で条件を確かめます。1つでも条件に合わないと、作ったあとで使えないと分かるからです。
- Lステップで、API連携を使える契約プランと料金、申し込み方法
- レート制限(一定時間にLステップへ出せる依頼の回数の上限。タグを1つ付けるといった操作ごとに1回と数える)と、使える操作
- LINE公式アカウントのメッセージ通数が、自動の送信が増えても足りるか
- 連携先のシステムやAIサービスが、APIやWebhookに対応しているか
Lステップのプランはフリー・スタート・スタンダード・プロに分かれています。料金やAPI連携を使えるプランの条件は改定があるため、この記事では金額を載せていません。
今の金額と条件は、Lステップ公式サイトの料金ページで確かめられます。対象のプランや申し込み方法が分からなければ、Lステップのサポート窓口に問い合わせると確実です。レート制限の回数は公式のAPIリファレンスに載っているので、予約が集中する時間帯の件数と比べておくと安心でしょう。
Lステップから送るメッセージはLINE公式アカウントの通数を使うため、自動のリマインドが増えた分だけ減っていきます。届いた質問へのAIの返信は、応答(Reply API)として返す作り方なら通数に含まれません。料金と通数を合わせた総額の計算は、次の記事にまとめました。

手順3:開発の方法を決め、テストしてから本番に移す
開発の方法は、自社で開発する・ノーコードツールを使う・外部の開発者に任せる、の3つから選びます。社内にプログラムを書ける人がいるかと、連携後に直す人がいるかで向き不向きが分かれるためです。
本番の前には、テスト用の友だちを1人用意し、1週間ほど動かして次の点を確かめておきましょう。
- 管理画面で、狙ったタグが付いたか
- 友だち情報の項目が正しく書き換わったか
- メッセージが1通だけ届いたか
- AIの返信が想定どおりの内容か
問題がなければ、対象を少しずつ広げて本番に移ります。焦らなくて大丈夫です。
LステップのAPI連携で注意したい3つのポイント

API連携のトラブルは、つないだ直後より、運用が始まってから管理画面を触ったときに起きやすくなります。
- 連携に使っているタグや項目を変えると、外部からの更新が届かなくなる。連携に使うタグと項目を一覧にしておき、変える前に連携の担当者へ知らせる決まりを作れば防げます。
- 同じメッセージが二重に届く。同じ予約データが2回送られたり、標準機能の自動配信と重なったりすると起きる問題です。重なる分は、標準機能側に同じ内容の自動配信を残していないか見直せば防げます。2回送られる分は、同じ出来事を2回処理しない仕組みを開発側に入れてもらいます。手順3のテストで1通だけ届くかを見れば、本番前に気づけるでしょう。
- 顧客データの管理と、保守の担当者が決まっていない。アクセストークン(APIを使うための鍵)の保管場所と、担当者が辞めたときの引き継ぎを決めておきます。連携が止まったときに誰が直すかまで書き出しておくと、復旧が早まります。
連携したデータをLINE配信に活用する|成果は配信設計で決まる

データをつないだだけでは予約も来店も増えず、取り込んだデータを誰に・いつ・何を送るかの配信設計に使って、はじめて成果が出ます。先に決めるのは配信です。
配信設計で決めておくことを、次に並べました。
- 取り込んだタグを、シナリオ配信や、タグで相手を絞って送るセグメント配信の条件に使う
- 予約や購入のあとに送るフォローの中身と日数を決める
- 配信のあとに、予約数や再来店の数字を管理画面で見て直す
- キャンペーンが終わったら、配信の中身を差し替える人を決めておく
sorecomaには、「構築だけ外注したのに成果が出ない」という相談がよく届きます。多いのは、リッチメニューやあいさつメッセージは整っているのに、何を・いつ・誰に送るかが決まっていないパターンです。
タグを自動で付けても、送る相手の友だちが少なければ予約は増えません。店頭の声かけや卓上のQRコードPOPがなくなり、友だちが増えないままの例も多くあります。sorecomaが毎月のレポートで、お会計時の声かけとPOPの補充を店舗にお願いしているのはそのためです。
友だちを集める入口と配信の中身が整っていないなら、API連携より先にそちらを整えるほうが成果への近道です。友だち集めから配信までの進め方は、5段階に分けて次の記事で説明しています。

Lステップの導入とLINE運用ならsorecomaにお任せ
sorecomaは、Lステップの導入とLINE公式アカウントの運用を、友だちを集める入口から配信・予約導線の設計まで一社で支援しています。InstagramやSNS広告で入口をつくり、LINEのステップ配信やクーポン設計で再来店とファン化につなげるのが特徴です。
広告の遷移先となるLPやバナーの制作まで社内で担うため、お店側にお願いする作業は、月に数回の投稿確認が中心になります。1ヶ月だけのスポット運用や、予算に合わせた部分依頼も可能です。
「Lステップを入れたのに、配信が予約につながっていない」「標準機能でどこまでできるのか分からない」。そんなご相談は、無料相談でお聞かせください。サービスの内容はsorecomaのサービスページで紹介しています。
よくある質問(FAQ)
まとめ
LステップのAPI連携は、管理画面の作業を、外部システムの出来事をきっかけに自動で進める機能です。Webhook転送とは、データの向きが逆になります。
API連携を検討するかどうかは、友だちの人数より、手作業のタグ付けの件数と付け忘れの有無で判断します。成果を左右するのは、取り込んだデータを使う配信設計のほうです。
次にやることを、状況別に並べました。
- 外部の予約システムやECを使っていないなら、標準機能のシナリオ配信とリッチメニューを先に整える
- 外部の予約システムを使っているなら、Lステップ連携の機能があるかを確かめる
- API連携を使うなら、目的とデータを書き出し、対象プランと申し込み方法を確かめる
- 開発を頼むなら、その一覧を持って構築代行やシステム会社に見積もりを取る
1週間以内に、LINEで自動にしたい作業を3つ書き出してみてください。



